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次世代コンビニ「見せるラック」 トランクストアプロジェクト紹介

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次世代コンビニ「見せるラック」 トランクストアプロジェクト紹介

食料品や日用品が取り揃えられ、私たちの生活に身近な存在のコンビニエンスストア。
海外のコンビニをイメージしてデザインされた次世代コンビニで当社のラックが活躍しています。
「見せるラック」への挑戦の軌跡をご紹介します。

トランクストアプロジェクト概要
期間:2016年11月~2017年4月
体制:(施主)株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
   (設計)トラフ建築設計事務所
   (内装)イシマル
   (ラック施工)安田施工サービス
   (店舗什器)三進金属工業
※当社はイシマルより受注
施主である株式会社テイクアンドギヴ・ニーズが手がけたホテル第1号の「TRUNK(HOTEL)(トランクホテル)」内にストアが併設されることに。その店内で使用するラックの製造・納入を当社が担当することになりました。


第1章 プロジェクトの立ち上げ

ある日舞い込んだ問い合わせによって全てが始まった

設計を担当したトラフ建築設計事務所としては、ストアの完成イメージは「海外のコンビニ」。店舗内に棚がぎっしりと詰まり、商品が並んでいるようなイメージ。
その完成イメージをもって、ラックメーカーをネットで探していたそうです。そこで、当社を見つけてお声がけいただき、プロジェクトがスタートしました。

TRUNK(STORE)

PJスタート当初の2つの不安

1.店舗什器の実績不足!

もともと当社は物流系のラック製造をメインに行っており、店舗什器はあまり経験がありませんでした。物流系はどちらかというと機能重視で、荷物が効率的に収納できるかどうかがポイント。
しかし、店舗什器はストアを利用されるお客様の目にも触れる見える場所で使用するラック。ボルト一つひとつにまでデザインにも気を使う必要があります。
「しっかりとした店舗什器を納められるのだろうか……」と不安を抱えながらのスタートでした。

2.間に合わないかもしれない!

納期までに納められるだろうか、というところも懸念点のひとつでした。店舗オープン日は決まっており、特殊な寸法によって部品全てが特注という仕様。
今までの物流系のラックとは進行方法も異なります。様々なオプションもついており、設計事務所の完成イメージと三進金属の製作できるラックの調整は必要不可欠な状況でした。
その後にお客様が納得する内容に合わせて組み立てなければならないため、「もしかしたら間に合わないかも……」という思いがよぎりました。

※店舗什器(てんぽじゅうき)……店舗で使用する道具や備品。商品陳列棚やショーケースなど。商品を提供・展示する際に使われる器材全般。

第2章 プロジェクトの軌跡

現場の進捗と納期との戦い

作成したラックの概略図をもとに、工場へ製作手配を行いました。工場では図から部材ごとに分解して、それぞれの詳細な部品図面を作成します。その後、部品図面からラックを製造し納品します。
今回のホテルは新築なので、現場工事の進捗状況に合わせなければならないところがネックでした。当社がラックの製造工程に入った段階で、すでに内装工事に着手し始めていたという状況。
関係者の多大なご協力もあり、結果として工事会社がラックを据え付けるスケジュールには何とか間に合いました。
その後、施主に立ち会っていただき、細かいパネルや部品の追加を行ないました。最終的なOKが出たのが4月だったという次第です。

建築中の状況

建物も新築中のため、工事期間は屋外もこのような状況

工場中

屋内工事の様子

PJ中に迎えた難局

突然立たされた窮地

工場の製作納期が迫りつつあるなか、当社が作れる形と設計事務所のイメージとで折り合えない部分が発生しました。
話し合いを重ね、ようやく仕様が決まった段階で当社の工場へ依頼。
すると、「これほどまでに特殊な仕様の部品を短納期で作れない!詳細がよくわからないからすぐに福島で打ち合わせ!」と言われてしまいました……。

店舗内

店舗内、商品陳列棚、カウンター、上から下まで全て当社のラックで埋め尽くされている

 

難局を乗り越えるために行ったこと

直接会って思いを伝えることで困難を打破!

東京から福島まで車を走らせ、工場へ打ち合わせに向かいました。道中では打ち合わせの内容について「細かい部分はこうやって話そう」と相談。「うちのラックを選んでくれている!」という要素を押し出し、最終的には「とにかく思いを伝えよう!」という方針に決定。
しかし、工場に到着し、いざ打ち合わせが始まると皆さんの怖い顔が並んでいました。店舗什器の実績が少ないので、それも仕方ありません。「うちでこんなにきれいな店舗什器が作れるのか?」「サイズ違いがこれほど多くて間違えないか?」といった様子。
改めて情報を共有し、細かい部分まで協議を重ね、思いをぶつけることにしました。誠心誠意思いを伝えました。すると、最後には「わざわざここまで来てくれて、打ち合わせもしっかりしてくれたから任せろ!」と、とても心強いお言葉。
その後、通常であれば最大で3か月かかる納期を、なんと2か月にまで短縮できる結果に!
この短縮がなければストアオープンに間に合っていなかったため、皆さんに心から感謝したのを今でも覚えています。営業担当が工場に行く機会はそれほど多くないのですが、やはり直接顔を突き合わせて、しっかりと気持ちを伝えるべきだと感じた瞬間でした。

商品陳列中

ラック完成後店舗オープンに向けて、商品陳列中

工事完了後の周囲の反応

努力が報われたと思った瞬間

納品を終えた後、当社の社員が現場を見に来てくれました。できあがったラックを見て、皆さんが口を揃えて「きれい!すごい!」と褒めてくれたのを記憶しています。
なにより嬉しかったのは、製作に尽力してくれた工場の皆さんの反応です。現場の写真を見て、「自分たちが作ったものがあんなにきれいになるなんて!」「東京に遊びに行くときは絶対見に行く!」と喜んでくださいました。

TRUNK(STORE)
TRUNK(STORE)

ラック本体、ベース、ボルト頭まで全て塗装はホワイト色で統一し、圧倒される空間

 

思いがけず生まれたコラボレーション

「トラフ設計建築事務所」「イシマル」とコラボして、ゴミ箱用のラックも生まれました。発端は施主様の、「ゴミ箱用にもラックが必要だね」という一言から展開。
コラボのポイントは、「素材」です。トラフ建築設計事務所から施主様へ「こういった素材を使ってみませんか?」という提案をしたのですが、それがリサイクル可能な再生材料でした。
当社にて新たに図面を作成し、大至急製造と組み立てを実施。仕上がりが想像以上にきれいで、お客様にもご満足いただける結果になりました。

ゴミ箱用ラックパネル
ゴミ箱用ラックパネル

 

第3章 プロジェクトのその後

今回のPJ挑戦で得られたこと

未知への抵抗感が薄れ、新たなジャンルへの意欲が増大!

店舗什器の仕事は、お客様のご要望が細かく、それでいて短納期対応が求められる業務。少々難しい面もある仕事です。
しかし、お客様のご要望としっかりと向き合い、当社ができる範囲とのギャップを埋めていけば、問題なく対応が可能です。
トランクストアプロジェクトで「三進金属のラックでこれほどまでにきれいなものが作れるんだ!」と大きな自信が生まれました。
実際に店舗に来店されたお客様が使用しているシーンを見ると、とても感動します!この喜びは店舗什器ならではのものでしょう。
店舗什器として使用され、「見せるラック」として当社のラックが活躍しています。楽しくてやりがいのある仕事だと感じています。

 

途切れることなく「見せるラック」案件、実績継続中!

今回紹介したトランクストアの案件を受注してから約7年が経ちますが、このプロジェクトをきっかけとして、すでに別の店舗什器案件に数回携わっています。
トラフ建築設計事務所とは継続して良好な関係性を維持しており、現在も計画を一緒に進めています。

 

TRUNK(STORE)

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズが手がけたホテル第1号「TRUNK(HOTEL)(トランク ホテル)」に併設されるショップ(2017年5月オープン)。

TRUNK(STORE)
TRUNK(STORE)