インタビュー
開発技術職
開発部 K.H.
現在の業務内容は？
新製品の開発を行っています。
主に、開発業務の取りまとめや得意先との企画打ち合わせの同行、他部署との打ち合わせ、開発された商品が仕様どおりであるか、実装やテストの漏れなどがないかなどのチェックを行っています。製品開発は約１年のスパンで、年間で３～５の開発案件を課全体で共有しながら進めています。
開発部は、開発１課、開発２課、企画課、戦略的基盤センターの４つの課で構成されています。私が主に携わっている企画課では現在、お客様にお渡しするための製品カタログの発刊に向け、各部署と連携しながら進めています。
製品開発までの一連の流れ
構想設計から始まり、試行錯誤しながら製品を完成させます。
①仕様構想図の作成 3DのCAD（※１）でメンバーには仕様構想図を作成してもらい、部内または関連部署で確認を行います。
②詳細設計、試作製作の実施製品にもよりますが、多くは約１か月で最初の構想設計から詳細設計を行い、試作製作を実施します。
③改良点の確認、再製作を繰り返す特許として認められるか、規則や制限に反することはないかなどの確認やデザイン性、安全性、操作のしやすさ、コストはどうかを試行錯誤しながら考えることになります。
グッドデザイン賞受賞！受賞で苦労したこと
使いやすさをそのまま保ちながら、懸念点の改善を行わなければいけなかったことです。
曝露抑制実験台「ER型サッシレス排気実験台」がグッドデザイン賞受賞
数々のグッドデザイン賞を受賞していますが、直近では2021年に曝露抑制実験台「ER型サッシレス排気実験台」がグッドデザイン賞を受賞しました。「有機則」（※２）や「特化則」（※３）に規制されない実験環境においても、実験災害を徹底的に排除し、研究者の安全を最優先に考えた環境を構築します。 使いやすさをそのままに、確実な排気性能により研究者の安全性や快適性が高まり、快適性が高まる機器が実現したとして高く評価されました。
推測から試作製作、分析、改善の繰り返し
この製品を利用するのは実験・研究設備。研究などで使用される有機溶剤は空気より比重が大きいものが多く、「天板面から下方に排気を行えば有害蒸気の漏洩を防げるのではないか」という推測のもと、試作製作を始めました。試験を行っているうちに、薬品の中で揮発性のものや加熱時の蒸発により上昇気流が発生し、天板面から下方に排気するだけでは不十分だと判明。そのため、「フード（※４）を設け、サッシの代わりに上方からの給気による封じ込めが可能になれば、薬品の蒸気をすべて下方に排気できるのではないか」と考え、調整を行いました。フード上方の給気気流の形状も再考し、コアンダ効果（※５）を利用した気流を作ることにより、フード庫内の気流を調整することができました。数々の苦労の末、サッシがない快適で開放的な実験を実現することができました。使いやすさをそのままに、確実な排気性能により研究者の安全性や快適性が高まり、快適性が高まる機器が実現したとして高く評価されました。
※１ 設計ツール ※２ 安全基準を定めた省令 ※３ 炎症や障害をひきおこすおそれがある物質の管理や取り扱いを規制する省令 ※４ 排気のために上に設ける覆い ※５ 流れが凸な曲面に沿って流れるとき、曲面に沿って曲がりやすいという性質
グッドデザイン賞とは？（主催：公益財団法人日本デザイン振興会）
グッドデザイン賞は、1957年に創立された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて私たちの暮らしや社会をより良くしていくための活動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。形のあるなしにかかわらず、が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインと捉え、その質を評価・顕彰しており、私たちを取り巻く様々なものごとに贈られます。
これから入社する方へ
三進金属工業の開発部は他社と比べると比較的自由に製品開発に携われると思います。自分で考えた仕様が製品化されて世の中に出ていくことになるため、充実感があります。製品開発の一部分のみに対応するのではなく、基本的には最初から最後まで担当し製品作りを行うのでやりがいのある仕事だと思います。ぜひ共に三進の未来を作っていきましょう。
